ハッピーシャワータイムの8月の歌は、「われは海の子」です。
「われは海の子」
作詞 宮原晃一郎
作曲者不詳 文部省唱歌
今年から二部の練習も始まりました。
「われは海の子」はとてもパワーのある歌です。
明治43年に発表された唱歌、100年以上の時が流れています。
長い間作曲者作詞者ともに不詳となっていましたが、平成元年に作詞者がわかったようです。
作詞者 宮原晃一郎
宮原氏は鹿児島県出身であり、少年時代、付近の天保山公園から錦江湾を眺めた際の情景を歌った歌詞であることから、そこには歌碑が建てられているそうです。
この歌の舞台となった天保山海岸は昭和30年代から埋め立てがすすめられてしまったようで、かつては白い砂浜の先に遠浅の海が広がり、周辺には塩田の姿も見られたのどかな風景だったそうですよ!
この曲は7番まであったそうですが、戦後4番以降消されてしまいました。
戦前は戦争のために歌が使われていました。
「大きくなってこの国を守る」の様な歌詞が書かれているものや、軍国主義、神道主義を讃えた内容は削除され、この歌の4番以降もなくなりました。
しかし、この歌詞は
体を鍛え、大人になったら国を豊かにする人物になろう!と、心に秘めた、海で育った男子の詩だったことがよく分かります。
1. われは海の子 白波の
さわぐ磯辺の 松原に
煙たなびく 苫屋こそ
わがなつかしき 住家なれ
2. 生まれて潮に ゆあみして
波を子守の 歌と聞き
千里よせくる 海の気を
吸いて童と なりにけり
私は2番が大好きです!
潮にうぶ湯のように浸かって、波が子守だったなんて なんて素敵なことでしょう。
その上、千里よせくる「海の気」を吸って育った。凄いですね、自然から受けるパワーを身体中に取り込んでいたに違いありません。
3. 高く鼻つく 磯の香に
不断の花の かおりあり
なぎさの松に 吹く風を
いみじき楽と わわれは聞く
「高く鼻つく 磯の香に」は海の香りまでもが想像されます。
「不断草」は季節を問わず生えていて、食料のない時代に食べたと言う話も耳にしました。
3番の大好きなところは、
「なぎさの松に 吹く風を いみじき楽と われは聞く」の部分です。
松に吹く風の音を素晴らしい音楽だと聞いて育つ。
この表現、素敵だと思いませんか?
風の音まで浮かんできます。
風の音と波の音とのハーモニーかもしれません。
4. 丈余のろかい あやつりて
行手定めぬ 波まくら
百尋 千尋 海の底
遊び馴れたる 庭広し
4番はさらに力強い。昔の単位が出てくるので、意味が不明のところもあります。
「丈余」とは約三メートル。
そのぐらい長い舟の櫓(ろ)を操って「行手定めぬ 波まくら」
どこまでも海の旅をして行く。
そして今度は「尋」水の深さの単位。
I尋は1.8288メートル
それが「百尋 千尋」なんてすごいスケールです。
どこまでも深く潜って行く。
そうやって少年時代遊んでいた。
「遊び馴れたる庭広し」ですよ!
時として自然を相手に厳しいこともあったでしょう。
逞しさが溢れてくる4番です。
歌詞の中いっぱいに自然の音が想像されるこの曲。
波の音、風の音、
そして、広大に広がる海や自然の中でたくましく育っていった少年時代の光景が目に浮び上がって来ます。
この曲の持つ強いパワーを感じます。
さぁ!ご自分のパワー全開にして「われは海の子」歌いましょう♪