ハッピーシャワータイムの2024年4月の歌は、「花の街」です。
花の街
作詞 江間章子
作曲 團伊玖磨
この曲の詩は、戦争が終わり焼野原だった東京に、江間さんが空想の花の街を描いたものです。
早くこの空想の世界のような、花がたくさん咲きみだれる美しい街になって欲しいと
復興を願ってつくられました。
日々、いろいろなことが起こります。
戦争もまだ続いています。
自然災害もありました。
でも人はその度に復興にむけて力強く生きて来ました。
何事もなく平和な「地球」を願って。
歌に想いを込めて飛ばしていきたいと思います♪
この曲のエピソードや、江間さんの実際の言葉は多く残っています。
ここにご紹介することによって、曲への深い理解と、また今のこの時期の新たな心の解放につなげていただければ、とても嬉しいです。
以下、江間さんの言葉です。
「花の街」は 私の幻想の街です。戦争が終わり平和が訪れた地上は瓦礫の山と一面の焦土に覆われていました。
その中に立った私は夢を描いたのです。ハイビスカスの花が空に浮かんでいる平和と言う名から生まれた美しい花の街を。
詩の中にある「泣いていたよ街の角で・・・」の部分は、戦争によって様々な苦しみや悲しみを味わった人々の姿を映したものです。
「中学生の音楽1」(教育芸術社平成9年)より
昭和21年「たくさんの人に夢を与えるような詩を」と、依頼され、それを聞いて江間さんの頭にひらめいたのが神戸の町だったそうです。
「私が乙女心に憧れていたのは神戸でした。でも1度も行った事は無いんですよ。おまけに当時の東京は焼け跡だらけ、ですから未だ見たことのない憧れの神戸はさぞかしお花の咲き乱れている美しい街だろうと想像しましたらね、早く日本のどこへ行ってもそうあって欲しいと言う願望を込めて書いたんですよ」
池田小百合「なっとく童謡唱歌」より
神戸の震災の後もこの歌にとても励まされたそうです。
1.七色の谷を越えて 流れてゆく 風のリボン
輪になって 輪になって かけて行ったよ
春よ春よと かけて行ったよ
2.美しい海を見たよ あふれていた 花の街よ
輪になって 輪になって 踊っていたよ
春よ春よと 踊っていたよ
江間さんの言葉を知らなければ、この1番2番の歌詞はとても不思議ですよね!
知ってからは3番の歌詞がとても悲しい。胸が熱くなってしまいます。
3.すみれ色してた窓で 泣いていたよ 街の角で
輪になって 輪になって 春の夕暮れ
一人さびしく 泣いていたよ
歌にはたくさんの想いが詰まっています。それを紐ときながら歌うと、また違う景色が見えてきます。
楽しい思い、嬉しい思い、悲しい思い、たくさん経験してきた今でこそ、年齢を重ねた今でこそ、歌える歌があります。
「世界平和」を願いながら、思いを込めて歌いたいと思います。