ハッピーシャワータイムの9月の歌は「夕日」です。
「夕日」
作詞 葛原しげる
作曲 室崎琴月
関東大震災後の焼け野原で、真っ赤な夕日にむかい大声でこの曲を歌っている子供達を見た時は感無量でした。
と作曲者・室崎琴月氏は語っています。(日本童謡唱歌全集より)
「夕日」
1、ぎんぎんぎらぎら 夕日が沈む
ぎらぎらぎらぎら 日が沈む
まっかっかっか 空の雲
みんなのお顔も まっかっか
ぎんぎんぎらぎら 日が沈む
2、ぎんぎんぎらぎら 夕日が沈む
ぎんぎんぎらぎら 日が沈む
烏よお日を 追っかけて
まっかに染まって 舞って来い
ぎんぎんぎらぎら 日が沈む
いきなり始まりの音は高い音です。
狙って出す!この曲のパワーを感じます。
大正10年10月に詩ができ、作詞者と面識のなかった室崎氏は葛原氏を訪ねて、詩の最後が「みんなのお顔も まっかっか」で終わっていたのですが、「ぎんぎんぎらぎら 日が沈む」を付け加えた方が良いのでは?と、提案。
そして任された室崎氏は自分の生まれ育った富山県高崎市の高岡古城公園から眺めた夕日を思い描き、この曲が出来たエピソードはとても有名です。
一度は誰でも、ぎんぎんぎらぎら日が沈む夕日を眺めた経験があるのではないでしょうか?
この曲の懐かしさは、きっとそんな記憶を蘇らせるからかも知れません。
私は2番の「烏よお日を追っかけて まっかに染まって 舞ってこい」この詩が大好きです。
大きな夕日とからすが舞う光景が瞬時に浮かび上がってきます…。
子供の頃、何処かで見たような気がして、懐かしさが込み上げてきてしまいます。
童謡の中には「烏」が登場する曲、意外と沢山ありますね!
昔、古くは烏が「神の使い」なんて言われていた事ご存じですか?
実際、さまざまな神話や言い伝えも残っているようで、幸運を招く縁起の良い鳥として崇められていたようですよ!
童謡には日本の四季が折々描かれた歌詞が多く、年月を経ても変わらない風景が蘇ります。
それは誰もが心の中に持っている原風景とどこか重なって出て来るのでしょう。
「人は老いて記憶がさだかでなくなっても、昔懐かしい歌を聴くことで突如としてその原風景をよみがえらせ、脳の血流がふたたび勢いを得るのだ。」
脳科学者であり医学博士の大島清氏著書
歌うとなぜ「心と脳」にいいか?の中に書かれていたことが頭に浮かびます。
皆さんはどんな「夕日」を描いて歌われますか?